私立中学の資料請求
さて、先週は私立中学の資料請求をしてみました。県内の学校と、県外で寮のある学校です。
毎日ポストには大きな封筒がどんどこ入っています。
宛名が筆ペンのような手書きのものもあれば、ビニールの袋に入っているハウスメーカーのDMカタログのようなものまで。学校案内のスタイルも様々。
「併願校の組み合わせおすすめパターン」と言う紙を同封してくださる学校もありました。
その学校を受験する場合に、一緒に受験するのであればこのような受験日程の候補があるので、こういうパターンができますよ、というまるで受験対策の塾の先生のような親切心。
細かいところを載せてる学校とそうでない学校
今週は全部で20校近く学校案内を見てみました。
パンフレットは、学校の特色がわかるようにカラーでデザインも力が入っているところが多々。
でも、カリキュラムをよく見てみると意外なことにそこまで違いがありません。
中学は義務教育なので、文科省の規定できっと学ぶべき科目と単位が決められているのですよね。おそらくそのためあまり違いが感じられない。高校のパンフレットの方を見てみると、選択制の学校が多く、その科目や内容も様々で学校によって特徴がよく出ていました。
カラフルな写真がいっぱい載っているパンフレットによって、「雰囲気」「校風」はなんとなくイメージがつかめることがわかりました。
キリスト教系のお嬢様学校と称される県内の私立学校は、金ピカの校舎と講堂の写真がドン!と一面にあり、夫も長女も「わっ!すごっ!」と声をあげてしまうインパクトさ。
全国で賞をもらっている部活が有名なところはその部活の写真がドン!と見開きに。
確かに「この部活に憧れて受験しました。」という口コミもあるくらいなので、その学校の魅力の一つなのでしょう。
パンフレットの情報は限定的
パンフレットをよく見てみると、学校の細かい部分はあまり載せていません。
ホームページよりは情報が細かく載っていますが、知恵袋や教育関係の掲示板で質問されているようなことはパンフレットにも載せないんだな、もっと情報を提供してくれたら良いのにと保護者としては感じました。
良いところ、自信のあるところを全面的に売り出しているイメージ。
「訳あり」部分を具体的に載せたら良いのに
最近は不動産のサイトでも、なぜその物件が他の物件よりも低価格なのか「ワケ」を具体的に書くことで、申込者が増加していると聞いたことがあります。
私もなんとなく安い商品よりも、「不揃い」や「賞味期限間近」と書かれているものは「我こそは!」と買う気になるのです。
安い「値段」よりも、「うちはここが他とは違ってちょっと弱い部分だよ!」とはっきり言ってくれた方が、「その部分は我が家は気にしないので全く問題ないですよ!」と飛び込める、むしろ、共感できて好感度が上がります。
では、学校の場合、「ワケあり」とは例えばどのような事情があがるのでしょうか。
私は「学費」の金額にどんな事情があるか知りたいです。
「大学の進学状況」にも具体的にどんな事情があるか教えてほしい。
「浪人」「現役」「国立」「難関」だけじゃ分からない
私と夫が興味のあった学校は中高一貫で入試の偏差値はかなり高いのに、大学進学の実績で半分以上が浪人と書かれていて、何故だろうと不思議でした。
ネットで検索したり、周りの人に聞いてみると、国立で進学校ではないのでカリキュラムもゆったりで塾などに通っていないと共通テストの勉強は間に合わないということでした。入学式でも校長先生が「うちは進学校じゃないから、各自できちんと勉強するように。」と注意事項として言われるようです。
浪人しても、ちゃんと希望の道に生徒たちが進んでいるのであれば、それは別に構わないと私は思うので、円グラフで「半分以上が浪人」と示すよりも、浪人した後にどのような道に進んでいるのか知りたいなと思いました。
よく「現役合格」「難関大学」「MARCH」など大学進学の実績を表すために使われる言葉がありますが、そんなことよりも以下のことを教えてくれたら好感度が上がるのになと感じます。
- 大学を受験するにあたりどのような入試制度を利用したのか
- 学校の勉強のみで受験したのか
- それとも家庭教師や塾に通っていたか
- 大学名ではなく何を学べる学部に進学したのか
たまに学部まで載せている学校や、利用した入試制度についても具体的に数字と事例を載せている学校があり、そこは進路についても生徒も保護者もきっと相談しやすいだろうなと安心してパンフレットを見ることができます。
学費は内訳を知っておかないと後で高くつく
学費はパッと見たところ私立の学校同士ではそんなに変わらないというのが第1印象。
入試費用、入学金は特別高いところは無く、制服と部活の費用はかなり差があると感じました。
奨学生の制度が家庭の経済状況によって申請できるものであるものもあれば、経済的には余裕がある家庭でも成績上位の者であれば学費免除になるなど学校によってやる気のある生徒を募集するのに色々な取り組みをしていることがわかります。
実際の学費は、人気の難関校だから高いということはなく、施設や活動によって差がありそうな感じでした。
私が感じた「学費は高い」けれど、「親切」「面倒見」の良さそうな学校の印象は、「補習」「進学指導」についてどのような体制かが明確に書かれている学校、私立A中学でした。
一見、学費は高いのですが、「塾なし」でそれぞれ希望の大学を受験している学校の体制は塾代を考えれば安いと感じました。
さらにICTや体育館系の施設も充実していて、勉強以外の活動も充実しそうな雰囲気。
そして、中1から色々な分野で活躍する人を学校に招き話をしてもらったり、必要な生徒には夏休みには補習があり、高校になると有料になるそうですが、それも1回〇〇円と明確に書かれていました。
数百円という小さな出費(補習の受講料)をパンフレットにも書いていることで、一般の塾の夏期講習と比べた場合には、良心的な金額であると分かり安心できます。さらに、補習の必要のない生徒はその料金を支払わなくて済むのだから、そうなってくれるように我が子が入学した場合には頑張ってほしいと思いもしました。
今人気?よく見かけるカリキュラムのパターン
「手厚い」と言われる中堅校は、希望進路に合わせて高2から専門的な選択授業が増え、これが今親たちが最も求めるスタイルのような気がしました。塾なしで大学受験で第1志望校に行ける、そのためのカリキュラムが用意されているのが人気のパターンなのかなと感じました。
「偏差値」が高い学校が授業の進度がはやかったり、大学受験のサポートをしてくれているのかと見てみると、そうでもなく、塾併用パターンなのかなと思わせます。
中堅校には、夏休みなどの補講が無料だったり、1日当たりの料金も300円程度と安価で、「夏期講習に行かせなくて済む。」と親を安心させる学校の意気が伝わってきます。
私の周りのママさん達の中で人気のR中学はキリスト教系の女子校で、付属の大学があります。でも、外の大学にも進学できるように進路指導を充実させていて、高2からの授業が理数、文系、芸術系と興味や進路に合わせて選択授業を増やしています。そこの学校を卒業したママさん達が「母校のカリキュラムはとても良い。学校もとても楽しかった。」と口コミが良いので、私も一番最初に資料請求したのはこのR中学でした。
私が勝手に気に入った学校
ヨーロッパのボーディングスクールの伝統を引き継いでいるという静岡県の不二聖心女子学院は夫も私もパンフレットだけですが、好印象でした。
寮でもちゃんと勉強させてもらえたり、キャンパスが広くてゴルフ部があったり、イギリスに留学させているような感じ。でも、毎週末新幹線で帰省させるとなると、学費や寮費はともかく、それ以外にかかる費用も結構ありそうと心配に。
前に県立高校の元校長先生をしていた私の知り合いの方が「受験希望者が多くなればなるほど、それは素晴らしいこと。受験料が多ければ多いほど、学校の経営は明るくなる。」とおっしゃっていて、まずは「受験に来てもらう」学校側の心掛けも大事だと感じました。