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遠い遠い社会への道
結婚を機に地方に来て専業主婦になりました。
結婚した翌年には第1子を出産し、今は2人の子どもを育てています。
正直、子育てで精一杯。近くに頼れる親族もいないし、夫の帰りは子ども達が寝た後。
でも、子どもが中学生になった時を想像すると、家庭の中での私の役割も今よりも軽くなっているはず。
それを思うと「私も社会でやっぱり働きたい。」と思うようになりました。
学歴にこだわらない育て方をされた私
高卒の私は普通の大学には行かなかったものの、普通ではできないような経験をいっぱいさせてもらいました。
両親は学歴やキャリアがきちんとある人たちでしたが、子どもには「豊かな人生を歩んでほしい」と応援してくれたように感じます。
ビザとなる大卒の資格
結婚を機に地方に来て主婦をやってみると、どうして人々が「学歴」にこだわるのか分かったような気がします。
田舎では、学歴や資格はその人の能力を簡単に保証してくれる一種のビザのような役割を持っていることに気づきました。
それが人の能力を証明するものとして、正しいか否かは置いておいて、私の住む田舎の地域ではそのように扱われている部分があります。
特別なことを披露しなくても、それが「有る」という事実で自分を認めてくれるものなのです。
だから、子ども達に専門性のある大学の学部に行くように勧めたり、国家資格を取ることを勧める親が多くいます。どこで暮らしても経済的に自立していけるし、社会に必要とされやりがいを感じられるからかなと思います。
社会で居場所が増える資格
もちろん大事なのは、「出国手続き」をしたその後のこと。
それを持っているからといって何か特別すごい人になれるというわけではありません。
でも、私はそれが無いことで飛び込めない社会があることに地方で、何も人の縁がないところで職探しをしながら気がつきました。
なので、「大卒」の資格があれば、応募ができる仕事をいっぱい見ながら諦めるのもいやだったし、興味のある仕事をするのには福祉の国家資格が必要なことにも子育てをしながら初めて知り、そういう勉強を若い頃にできたら良かったと思いました。
私のように他県から来た周りのママさん達は「一応薬剤師だからパート始めたんだ。」や「教員免許持ってるから、市の広報に載っていた求人に応募しようと思って。」とこんな田舎でもどんどん仕事を見つけていき、すごいなぁと思いました。
「マヌエリータさんは語学やパソコンが得意なんだから、その分野の資格を取ったり、そういう会社で高卒でも働かせてくれるところあると思うよ!」と言ってくれる友人もいましたが、私には腑に落ちない部分がありました。
「大卒」も国家資格も、通信制の大学で取れるのなら、私は欲しいと思いました。
夫のアドバイス
メーカーの開発部門で働く夫は、「学士を取るためだけに大学で勉強するなんて意味がない。」とはじめは反対していました。
独身時代に目指していた「教職」なら良いけれど、「大卒」にこだわるのはあまりに曖昧で、それを取ってもきっとまたモラトリアムの状態に陥るということでした。
夫曰く「大学を出ていても、専門的な仕事は任されない。だったら、専門学校などに行って、かなり専門的なスキルを身につけた方がずっと良い。」という話でした。
このような話を夫がするのは、夫自身が理系で物理が好きだから大学も物理学部に進んだところ、自分が将来やりたい仕事とは少し違うことに気が付き、物理の知識を必要とする工学系の大学院に進み、やっと自分の本当にやりたいことに出会えたという経験があるからだと思います。
そんな話を夫としている間に、放送大学と日本福祉大学の説明会に行きました。
もし挑戦できるなら、通信制で「大卒」だけでなく、卒業後に「専門的な仕事」「世の中に必要とされていること」ができる学部で学びたいと思いました。
説明会の後に、夫に「福祉の専門的な仕事ができるようになりたい。」ということを話したら、それまで子育てをしながら私が地域のボランティアや市民活動に精力的に参加していたことも知っていたので、「それはすごく良い勉強だね。」と応援してくれました。
この他にもいろんな思いや理由があるのですが、2018年の冬にやっと入学願書を提出しました。
放送大学の説明会でもらったきっかけ
一番最初に参加したのは、放送大学の説明会でした。出産後、外出ができるようになった頃です。
費用の面や職員の方の応対も良くて放送大学も悪くないなと思っていたのですが、シラバスを見ると大学に相当する自由学園の学部(私が進学したところ)でなんとなく学んだことのある教科が多くて、わくわくする感じはあまりありませんでした。
シラバスの学科たちに親しみがあるので「面白そう」と思う反面、「学士」大卒の資格だけを取るために勉強する気になれず。
もし自分が既に「大卒」であっても、社会人として勉強したいと思えるようなことを学べるところを自分が希望していることに気が付きました。
それと、学んだことが地域での仕事につながる大学にしようと考えました。
放送大学の説明会を聞きながら、自分自身に何が学びたいのか問うことができたのが良かったです。
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