小学校の話

小学校に行きたくない娘が学校に行けるまで。学校がいじめを判断する前に親ができること。

学校に行くのをしぶるようになった長女

小学1年の娘。幼稚園の頃に「幼稚園行きたくない。」と言ったり、担任の先生との関係からか、とにかく幼稚園生活を楽しむことができず転園したことがあります。転園先の手厚いと評判の幼稚園では人が変わったように友達もいっぱいでき、積極的で前向きに毎日楽しく通うことができました。

そんな娘が小学校に入学して、1カ月ほど経った時、また「学校行きたくない。ママ、教室まで一緒に来て。」と言うことがつづきました。

登校前に泣く娘と教室まで一緒に登校していた話

前の記事で書いたように、通学団で登校する娘と一緒に私と下の娘も小学校まで通学団に入って教室まで毎日送りました。夏になり、だんだん暑くなり、妹も幼稚園に行く前に疲れてしまうし、この生活がいつまで続くのかと心配していました。

小学校に入学した頃は毎日楽しそうだったし、大変そうだったそろばん教室は辞めることにして、帰ってきたら公園で遊んだり、前のガミガミ言うのも辞めて、できるだけ娘がリラックスして楽しめるように努めました。そのおかげで家では楽しそうです。でも、学校は行きたくないようで…。

担任の先生に相談してみた

教室まで毎朝ついていくのは先生もクラスメイトも少しおかしいと思うので、先生も「昨日は給食の時間に泣いていました。」など、色々と教えてくれました。でも、先生の話だとお友だちとも楽しそうに話しているし、これと言って、何か問題を抱えている様子はない。しいて言えば、行動がちょっとのんびりなので、片付けとか何かを始める時に他の子より遅いですね、という程度。

もともとクラスには知り合いのママさんは2人しかいなく、2人とも男の子のママでそんなに娘とは接点がなさそうだったので、夕方近所で娘のクラスのママさんに会うとLINEを交換するようにし、遊べる時は一緒に遊んだり、クラスのことで知ってることがあったら教えて欲しいとお願いしました。

娘は、「教室に行きたくない。」とは言うけれど、クラスで何が嫌なのかは話してくれません。私が1カ月毎日ついていき、観察するしかありませんでした。公園や近所で会うクラスメイトの子やご家族から聞いた話の中から、情報を集め、娘にさりげなく気になった部分について聞いてみたり。学校で募集しているボランティアにも参加するようにし、娘のクラスや他の学年の様子も知る機会をつくりました。

毎朝、教室まで下の娘と行くので、長女のクラスの子達がいっぱい話しかけてくれて、私もクラスの子達の名前を覚えることができました。1年生って、素直で一生懸命でかわいいんですよね。こんな優しそうな子達のいる教室になんで娘が行きたがらないか不思議でたまりません。

娘の周辺を親が観察して気になったこと

しかし、色々観察し、情報収集する中でわかってきたことがありました。クラスのリーダー的存在の男の子が娘に暴言をよくはいているということです。放課後、公園に遊びに行った時、私もたまたまその現場を目にしてしまい、これを毎日学校でやられてたらたまらない!と初めて娘の辛さを知ることができました。

何より、公園で娘と一緒に遊んでいた優しそうな男の子達も、その男の子が来て「こいつと遊ぶな!」と言うと、戸惑いながらもさーっと向こうの方に行ってしまい、娘はひとりぼっちに。

「ねぇ、今の何?いつもこんなこと言われてるの?」と娘に訊くと、「なにが?」とぽかーんとしている娘。「だって、仲間に入れてくれなかったじゃん?」私が言っても「うん、これが普通だよ。」と少し寂しそうだけど、「だから、なに?ママ、なんでそんなびっくりしてるの?」という感じで一人でまた遊び始めました。親が過干渉なのも良くないのですが、娘が小学校に通いたいのに、どんどん行けなくなっているのも放っておけません。

おせっかいな親の私がしたこと

小学校のクラスのことに口を出すのはいかがなことかと思いながらも、私は日頃から情報収集していた内容と今回たまたま公園で見たものをまとめ、文書にしました。

校長先生と担任の先生に日頃からの感謝も述べつつ、子供自身は何も言わないが、毎日教室に一人で行けない原因にこの数週間、見聞きしてきたこれらのことが関係しているのではないかと書きました。そして、娘は学校が大好きで本当はクラスに毎日行きたいと思っているとも。

前に担任の先生には連絡帳で少し書いたこともあったのですが、「本人も頑張らないといけない部分がある。」という感じで、具体的に動いてもらえなさそうだったので、今回は文書にして、2通作成。朝、夫と校長室に行き、校長先生に1通お渡ししてから、教室の担任の先生にもう1通お渡ししました。

校長先生は突然お邪魔した私たちの話を聞いてくださり、「辛い思いをさせてしまいましたね。担任はもちろん、職員が一体になって、問題解決に取り組んでいきます。」とおっしゃいました。担任の先生も文書を受け取ると、「実は他のご家庭からも同じようなことでご相談を受けていて。直ちに対応していきます。」と言ってくださいました。

学校、先生方の対応

娘の通っている学校は地方の田舎の小さな小学校なので、もともととてもアットホームです。私が通っていた小学校と真逆で、はじめは校舎は古いし、人数が少なくて吹奏楽も無いので、やっぱり都会の小学校は違うな、と田舎に住んでいることを悔やんだりもしていました。

でも、子どもは優しい上級生やいつも明るく挨拶をしてくれる先生方が大好きで、小学校に行くのが楽しそうでした。だからこそ、今回少し落ち込んでいるのはどうにかしても対処したかったのです。

校長先生と担任の先生に相談した後は、担任の先生がクラスの子達に事実確認をしてくれ、仲間に入れてくれなかった子も娘に謝ってくれました。その日は、先生と一緒に帰宅し、家で先生が娘の話を色々聞いてくれました。娘は先生が自宅に来てくれたのがものすごく嬉しかったようで、シルバニアを見せたり、自分が練習しているピアノを聴かせたりしていました。

そこでクラスで本当は「あの子達と一緒に外で遊びたいけど、仲間に入れてもらえない。」や「~とも仲良くしたい。」など、娘がこれまで言わなかったことが色々出て来て、先生が「ねえ、じゃあこんなのはどう?」とクラスでこんな風に遊ぶのはどうかな?外でこういう風なゲームしてみようか?と提案してくれ、娘の目はキラキラ輝いていました。翌朝も夫の出勤前に先生が家まで来てくださり、夫にも一連のこととこれからの対応のことを報告してくださいました。

私達が文書を渡したその日、クラスの中で娘に謝ってくれる子もいたし、放課後に先生が来てくださり、もう娘と親の中ではほとんど解決していました。でも、その翌日に学年で特別に道徳の授業を設けてくださり、娘のことは特に出さず、「人を傷つける言葉」や「人を喜ばせる言葉」などについて皆で学んだようです。帰ってきた娘は「うざい、しね、むかつくって、小学校入ってから聞くようになって本当はすごく嫌だったの。みんなどんどん言うようになるから、嫌だった。でも、ダメなんだって!言ったらやっぱり良くないんだって。みんなで言わないようにしようって話したの。」と嬉しそうに話していました。

休み時間も最初の週は先生が声がけをしてくれて、「今日は外でドッチボールした!」と楽しそうに帰ってくるようになりました。しばらくしてから、先生からは連絡帳で「最近は休み時間になると、自分からクラスの子を誘って外に行ったり、一人で外に出てサッカーをやってる子達の中に自分で声をかけて入ったり、頼もしくなってきました。」と様子を教えていただき、安心しました。

娘を仲間に入れてくれなかった子のお母さんも電話をくださいました。もともとは娘が繊細で少し弱いところからみんなに迷惑もかけ、こんな風にいっぱい気を遣ってもらって申し訳ないとも感じました。その男の子がやっぱりボス的なところがあるので、今も他の男の子は娘が「入れて!」と言っても「うーん。」という感じの時もあるようですが、その子がそんな時も「いいよ。」と言ってくれるようで、本当に良かったな、と。

先生の得意なこと

ちょうどその週に大学のスクーリングがあり、『スクールソーシャルワーク』の科目でした。「学校に行けない」「不登校」と学校がどのように関わっていくか、スクールソーシャルワーカーがカウンセラーの職種や他の機関と連携する意味、教師とスクールソーシャルワーカーそれぞれの得意分野などを学びました。

スクーリングの授業で聞いたことで印象的だったことは「先生は教育者。頑張ろうとしてる人を伸ばすことが得意」ということです。だから、保健室の先生やカウンセラーやソーシャルワーカーが協働しているんだと実感しました。なかなか経営的な問題で、先生が色んな負担を背負っている部分はありますが。親としても、先生にお願いして良いところと親としてできる部分があると今回考えるきっかけとなりました。

この一連のことがおさまった後にも一度風邪をひいて休むと「学校怖い。行きたくない。」ともう問題はないはずなのに、登校を渋るときがありました。「仲良しの子一人もいない。給食食べられない。体育苦手。それでも良いんだから、とにかく行って、字を丁寧に書く。先生の話をしっかり聞く。掃除の時間、雑巾がけ頑張る。そんなことでも良いから、何か1つ頑張っておいで。」と送り出しました。娘は「ほんと?それでもいいの?」と少し気を楽にして出て行きました。私も真面目な部分はありますが、おそらく娘はすごく真面目なんだろうな。